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民間に検査が開放され、欠陥住宅問題は改善されたのか?

欠陥住宅を減らす目的で、平成10年(1998年)、橋本内閣の時に「建築確認・検査」を民間に開放するという改正案が出された時、日弁連消費者対策委員会は欠陥住宅の被害根絶に向けて、生産システムに根本的な問題が有ることを指摘し、欠陥住宅を生み出すシステムを断ち切る必要が有るとして、国に対し、数々の具体的な改革案を提示しました。
①公正中立な立場に立った第三者の中間検査制度を新設すべきである事
②安全性を確保する為に、「建築確認」「中間検査」「完了検査」のいづれについても行政が責任を負うべきである事
③検査を民間に開放すれば、建築業界が中心となって、営利目的の公正中立の立場をとらない業者が検査に携わってしまう危険がある事
等々です。
民間に検査が開放されて14年経った今、欠陥住宅は少しも減っていない・・と弁護士は言います。
耐震偽装問題、ニセ建築士問題・・と、次から次に問題も起こっています。
「建築検査を行っている人間の中にも、建築士の無資格者がとても多い」と、岩山先生が書いておられるように、欠陥住宅を無くす目的で行われた筈の民間開放が、今では、建築検査を素人が行っているようなお粗末な状況です。
これでは、欠陥住宅が減るわけがありません。
・なぜ欠陥住宅がつくられてしまうのか? 
・欠陥住宅が建ち上がってしまう前に、未然に防ぐ為に、何をすべきか?
この根本的な問題に焦点を当てて改革しなければ、絶対に減るわけがないのです。
14年前の改正時、国が日弁連の提案を受け、①②を実施していれば、耐震偽装問題もニセ建築士の問題も起こらなかったでしょうし、欠陥住宅の問題は格段に改善されたでしょう。
自民党に政権が戻ってしまったら、この問題にメスを入れることはもう出来ないでしょう。
現政権がメスを入れれるか?維新の会なら出来るのか?何とか早いうちに改革をして頂きたいものです。
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後手に回ったトンネル老朽化対策!!

笹子トンネル崩落事故という、悲惨な事故が、また起きてしまいました。
点検さえ怠らずに行っていれば防げた事故で、全く責任の無い人達が犠牲になってしまいました。
事故が起こってしまってから、大急ぎで全トンネルの総点検を行なったところで、時すでに遅し!!!
犠牲者は戻ってきません。
何トンもの鉄板が折り重なって天井から降ってくる恐怖は、どれ程だったことでしょう。あと数秒前にあのトンネルを渡り切っていれば、或いは、あと数秒後に差し掛かっていれば、あの事故には遭わずに済みました。
亡くなられた方々が、如何に不運であり、無念であったかを思う時、このトンネルの管理を行っていた会社の「命の重さ」に対する無頓着さ、鈍感さに憤怒を覚えずにはいられません。
この無頓着さや鈍感さは、その上にいる国土交通省や、延いては国にも重大な責任が有ります。
対策を怠らずに、先手先手を打って予防をしていれば、大事な大事な命を落とさずに済んだ事故が、今年は本当に多過ぎました。
欠陥住宅の問題も同じです。国も省庁も、問題が有ることは分かりながら、事故が起こって犠牲者が出て、世間が騒がなければ、法律を見直そうともしません。
そもそものこういう体質の歪が、毎年毎年、防げば防げた事故を繰り返させてしまうのです。

番組の中で語られなかった事・・・①

裁判中、社長は、5年8カ月程しか住まない鎌倉七里ヶ浜の豪邸を、売りに出しました。
豪邸は社長名義になっており、抵当権が付いていた為に、差し押さえる事は出来ませんでした
しかし、豪邸を売却した数千万のお金は、社長の懐に確実に入った筈です。
豪邸が売れる2カ月前には、開発目的で、1,000万円ほどで北鎌倉に300坪の土地を購入しています。損害賠償に充てる事が出来た金額です。
高価な白のラブラドール犬を飼い、新型ベンツに乗り替え、子供を日本で一番学費が高いK幼稚舎に通わせ、見栄を張り放題の生活が出来ているのは、こんなお金の流れが影響しているのでしょう。
裁判中に、家を売ったり、土地を買ったり、名義を書き換えたりすることは、法律で禁じられている行為=「強制執行妨害罪」です。
裁判所が、もっと強い権力を行使して、被告に財産を申告させる権限を持てば、そこで、社長の財産を差し押さえる事が出来ました。悲しいかな、裁判所は、被害者を守る為の力を全く持っていません。
法律が不備な現時点では、
・数々の欠陥を重ねた事で、罰することは、出来ません。
・修繕に応じないで、何年間も放置した事で、罰することも、出来ません。
・裁判の判決に応じず、損害賠償を支払わない事で、罰することも、出来ません。

番組の最後で司会者が言っていたように、欠陥住宅の被害数が依然として右肩上がりに増えている実態の要因の一つに、法律の不備と法律の執行の甘さが考えられます。
神奈川県の職員が言っていたように、国会議員が建設業界と癒着しているから、実態も見えなければ、法制度の整備もしようとしないのだろうと思います。

SANY0029.jpgこの写真は、建設業認可取消処分を受けたにもかかわらず、昨年10月、他の建設会社を使って、清水建築工房が開発しようとしていた、北鎌倉の危険な急斜面の土地です。上にも下にも人家がありますが、この斜面に6軒の建売住宅を建設しようと計画し、近隣の住民の反対に遭い、計画は頓挫しました。








行政は、威厳を持って、資格を剥奪する処分を!

「清水建築工房」の社長には、監督をするだけの技量が無い・・岩山先生もそう仰っておられました。
欠陥住宅を作っているという意識や、迷惑を掛けたという認識が欠落していることに、同業者の方々からも、非難の声が上がっています。
欠陥だらけの家は、凶器に成りえます。
決して大袈裟ではなく、これは、殺人と同じ行為です。
欠陥のデパートと言える程、ズサンな工事を重ねるこの建築士に、このまま資格を与えておくことは、今後も被害者が確実に増えるという事であり、その被害者を危険に曝すということです。
これまで、国にも、裁判所にも、地方行政にも、欠陥住宅に対しての危機意識が無さ過ぎました。このままでは、欠陥住宅が、日本中に、右肩上がりに増えていくいっぽうです。悪い言い方で批判を受けるかも知れません。
しかし、見せしめの為にも、行政は威厳をもって、資格を剥奪するという処分をきっちりと下すべきです。

数千億円の予算を使って作られた敦賀原発の下に活断層がある可能性が濃厚になり、廃炉になる見通しが強まりました。
原発推進の力が勝って、徹底的な調査が行われずに、これもまた、危険が過少評価されてきたことに原因があります。
国が、危機意識を持たなかった点、危険を過少評価をしてきた点については、欠陥住宅の問題と全く同じです。
法の整備を急ぎ、茶番のような裁判を正し、監督の役目を果たす行政、この3つの柱を改善していかなければ、欠陥住宅は絶対に減っていきません。


来年1月から、「建築確認」の際に、免許登録確認が実施されます

平成17年11月、姉歯事件と呼ばれる構造計算書偽造問題が発覚した事を受け、3年後の平成20年11月より建築士法の改正が行われ、3年毎に、二級建築士の場合、4時間の講義と一時間の終了考査、の定期講習が義務付けられるようになりました。
しかしその改正は、いみじくも、建築士免許証の写しの偽造や、詐称をあぶり出す結果となりました。
今年7月、国土交通省が全国に確認を行ったところ、12月4日現在、計20名のニセ一級建築士が発覚しています。
12月3日には、国土交通省から通達が出され、再発防止の観点から、来年1月より、「建築確認」の手続きの中で、免許登録の有無と、定期講習受講状況が確認される事になりました。

「今頃か?」という印象です。
①契約書の中に、建築士登録番号を記載する事を義務付ける。
②「建築確認書」を提出する際に、「契約書のコピー」も添付する。
③役所は「建築確認書」と「契約書」のコピーの両方を受け取り、特に「契約書」のコピーに関しては、役所が、責任を持って、建築士登録番号の照合と、契約内容の記載に不備が無いかについてチェックを行う。

デザイナーズマンションが流行っている昨今、一級建築士に限らず、多分、二級建築士の中にもニセ建築士はいるでしょう。今まで、建築士の免許登録確認が行われないまま、建物が建ってしまっていた事のほうが、寧ろ信じられません。
「契約書」の記載内容に関しても、不備が無いか役所が「建築確認」の際に目を通すべきなのです。
この3つが義務付けられていれば、スタートラインの時点で、ニセ建築士を追い出す事も出来ますし、詐欺師まがいの悪徳業者による被害を、未然に防ぐ事が出来るのです。
官僚の人達は、いつも、何かが発覚してから対策を打つ事が身に染みていて、予測して先んじて、積極的に手を打つことが出来ない体質なのでしょう。
そして、役所は、これ以上仕事を増やしたくないし、責任も取りたくない、その怠慢とも言える体質が、建築業界の質を非常に悪くしてきたのだと言えるかも知れません。

「瑕疵担保履行法」に関して思う事①

平成21年10月1日から、「瑕疵担保履行法」がスタートしました。
この「瑕疵担保履行法」によって、それまで、事業者は、任意加入であった保険が、10月1日をもって、加入を義務付けられることになりました。
事業者が保険会社からお金を受け取って、欠陥を直すことが出来るようになったのです。
事業者が倒産した場合は、保険金が客に支払われます。
保険に入っている住宅は、保険会社の専門の検査員による検査を合格しないと保険に入れませんし、もし、欠陥が発生した場合には、住宅紛争審査会が解決をサポートしてくれるシステムが出来た訳です。
この法律が出来てから今年で丸3年。
保険会社の検査員による検査が行われている訳ですから、欠陥住宅は減っていくと思われるのですが・・。
それでも尚、未だに欠陥住宅が右肩上がりに増えているという実情をどう捉えたらいいのでしょう?
問題なのは、私達のように平成21年10月1日以前に引き渡された住宅に、次々と欠陥が現れてきているということではないでしょうか?
住宅に欠陥が現れるのは、数年が経過してから現れる事が多いのです。
なぜ?資力を確保する措置として、客を守る為のこのような法律が、もっと早く整備されてこなかったのでしょう。『住宅取得税減税』と銘打って、国民に新築を煽る前に、政府が為すべきことは、まず、欠陥住宅が消費者の手に渡らないように万全の策を講じる事と、万一欠陥が生じた場合に、消費者を守る為の資力確保を行う為の法整備が先決であったと思います。
平成21年10月1日以前に引き渡された我が家に、この「瑕疵担保履行法」は当てはまりません。
社長が任意の保険に入っていれば、裁判までいく必要はありませんでした。
「清水建築工房」の社長は、今も、「瑕疵担保責任(瑕疵が有った場合、10年間は無料で直さなければいけない)」という義務を負っている筈なのに、罰則が科せられない義務である為、無いに等しい法律になっています。
重大な瑕疵が有ることを知りながら、損害賠償さえ踏み倒して、逃げ回る業者を罰することが出来ない。ここが最大の問題なのです。
出来るだけ多くの国会議員に手紙を書いて現状を報告し、厳罰に処する法律を、早急に設けて貰いたい思っています。

欠陥住宅を建てた者の責任・・・その1 契約上の責任

これまで、欠陥住宅によって苦しんできた方々が闘って、裁判で勝利を勝ち取ってきました。
特に最高裁の判例ともなれば、後の下級裁判所の判断を拘束することになりますから、重要です。
そこでちょっと欠陥住宅に係わる最高裁判所の判例を整理したいと思います。


私たちが物を買うとき、例えばリンゴを買って腐れて食べられなければ、別の物をくれということができます、つまり買った物に傷があれば傷の無い物をくれということができます。
なぜなら、誰も食べられないリンゴを買う者はいません、傷のついた物を買おうとする者はいません。
食べられるリンゴを買おうとしている、傷のない物を買おうとしている、それなのに食べられない、傷のある物を渡されたのでは、契約の目的を達していない。
つまり、契約が履行されていない、だから再履行させることができるのです。食べられるものを渡せ、傷の無い物をよこせということができるのです。

まして、建物は、リンゴなどとは比較にならない何千万円もの高価な物です。
これに瑕疵があるなら、瑕疵のない物を建て直せといえないのはおかしいですよね。
そう思うのですが、民法ではそうなってはいないのです。
確かに欠陥のある住宅を引き渡したのでは、債務を完全に履行したことにはなりません(民法416条)。
しかし、民法では建物に瑕疵があった場合には、建て直せと言うのではなく、瑕疵の補修請求をしろ、つまり直せと言えといっているのです。
しかも、瑕疵が重要なものでなく、補修費用が過分にかかる時は、直せとすら言えないというのです(民法634条)。
また、契約の解除もできません(635条但書)

何故なんでしょうか。
その趣旨は、請負人にとって過酷で、社会経済的に大きな損失になるからと言われています。
請負人が、建て直したり、建てている途中で契約を解除されては、請負人にとって酷だというのです。
社会経済的に大きな損失とは、せっかく建てた物を取り壊すのはもったいないという意味でしょうか。
この規定があるために、後で何か言われても、手直ししますとか、もう直せない部分なのでと言ってごまかせばいいと、請負人は瑕疵があっても、どんどん作業を進めてしまうのです。
そのため、欠陥に欠陥を重ねた、後では補修しようもない欠陥住宅ができあがってくるのです。
この規定は、開発途上期の日本の土建業者を保護してきた悪しき規定と批判されるべきではないでしょうか。
少しでも瑕疵があれば建て直しと言われることもあるとすれば、請負人は、注意に注意を重ねて、作業を進めていくことでしょう。
欠陥で、危なくて住めないような建物をそのままにしておくこそ、社会的に大きな問題であって、決して社会経済的な損失とはいえないはずではないでしょうか。

そのことに裁判所も気づいたのです。
平成14年9月24日の最高裁判所の判例は、建て替え費用相当額の損害賠償を認めたのです。
つまり、建て替え費用相当額の損害賠償を認めれれば、建て替えさせるのと同じことになるのです。
「請負人が建築した建物に重大な瑕疵があって建て替えるほかない場合には、当該建物を収去することは社会経済的に大きな損失をもたらすものではなく、また、そのような建物を建て替えてこれに要する費用を請負人に負担させることは、契約の履行責任に応じた損害賠償責任を負担させるものであって、請負人にとって過酷であるともいえない」
と明確に述べています。

欠陥住宅は建て替えを要するような物がほとんどではないでしょうか。
どこかに瑕疵が有る場合、必ず他にも瑕疵があるのが通常です。同じ施工者の手によるのですから、同じようなミス、手抜きをどこかで必ず行っています。
ですから、調査が大事になります。
徹底的に建物の隅々まで調査することが必要になります。
そして、施主が建物の瑕疵の主張立証した場合には、施工者は、このような工法で補修すれば建て替えなくても大丈夫だということを立証する責任があるというべきではないでしょうか。

欠陥住宅を建てた者の責任・・・その2 不法行為責任

 前回は契約上の責任について見てみました。
請負人と施主は契約関係があるから当然契約責任が生ずるのでした。

それでは、施主から建物を譲り受けた者が、瑕疵に気が付いて、設計者や工事業者に責任を追及する場合はどうでしょうか。
この場合、設計者および工事業者と建物の請負契約を結んだのは、施主であって、譲受人ではありません。すなわち譲受人は契約関係に無いのです。
だから契約責任は、譲受人は設計者にも工事業者にも追求できないことになるのでしょうか。

ここに民法709条という規定があります。
不法行為責任と呼ばれ、「故意過失によって、他人の権利を侵害した者は損害賠償の責任を負う」とされています。
例えば、交通事故の場合を考えてみるといいと思います。誤って人を車で轢いて怪我をさせたら、賠償責任を負わなければなりません。それが、この709条の責任です。轢かれた者と車を運転していた者との間には、何の契約関係もありません。そのときに責任を負わなければならないのが不法行為責任という訳です。

そして、欠陥住宅の譲受人は、この民法709条に基づいて、設計者および工事業者に対して責任追及できるとしたのが、最高裁判所の平成19年7月6日の判決です。

ところで、契約関係にある者にとっても、故意過失で権利を侵害されたともいえるのです。
つまり、契約関係にある施主は、前に述べた瑕疵担保責任も不法行為責任も、両方の責任を追及できるのです。
両方の責任が追及できる利点は、主張できる期間が不法行為の場合は10年に延びるという点にあります。

ところで、この最高裁判所の平成19年の判決には、注目すべき点がもう一つあります。
実は、この最高裁判所の判決は、その前になされた高等裁判所の判断を否定しています。
否定された高等裁判所の判断とは次のようなものです。

「建築された建物に瑕疵があるからといって、その請負人や設計・工事監理をした者に、当然に不法行為の成立が問題になるわけではなく、その違法性が強度である場合、例えば請負人が注文者等の権利を積極的に侵害する意図で瑕疵有る目的物を製作した場合や、瑕疵の内容が反社会性、あるいは反倫理性を帯びる場合、瑕疵の程度・内容が重大で、目的物の存在自体が反社会的に危険な状態である場合等に限って、不法行為責任が成立する余地がある」

つまり、瑕疵があるからといって、常に不法行為責任が成立するものではないと言っているのです。
しかし、民法709条をどうみても、欠陥住宅の場合には、違法性が強度である場合に限って不法行為が成立するなどとは読めません。そんなことは書いてありません。

これに対する最高裁判所の判断は次のようです。

「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には、不法行為責任が成立すると解すべきであって、違法性が強度である場合に限って不法行為責任が認められると解すべき理由はない。例えば、バルコニーの手すりの瑕疵であっても、これにより居住者が通常の使用をしている際に転落するという、生命または身体を危険にさらすようなこともあり得るのであり、そのような瑕疵があれば建物には建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があるというべきであって、建物の基礎や構造く体に瑕疵がある場合に限って不法行為責任が認められると解すべき理由もない

と明確に述べて、高等裁判所の判断を破棄しています。

実に常識的な判断であるといえます。
この最高裁判所の判断のキイは「建物としての基本的な安全性を損なうかどうかの瑕疵」という点にあります。
今後709条の不法行為責任を追及するには、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」であることを立証していけばいいのです。

欠陥住宅を建てた者の責任・・・その3 危険な建物によって怪我をした場合の責任

建物に瑕疵があって、そのために怪我をしたり、体調を壊したりすることがあります。
その場合も当然責任追及できます。
不法行為責任です。
以前にも説明しました民法709条の、故意または過失に因って他人の権利を侵害した時の責任です。
欠陥住宅の瑕疵によって怪我をしたり、体調を壊せばこの規定によって損害賠償をさせることができます。
私の家族も防水の欠陥による、雨水の侵入により、家中が水浸しの状態ですので、カビが発生し、家族が気管支を損ない、喘息の症状を起こしています。
ですから、このことについても施工者には責任を負ってもらわないといけません。

問題は、責任を追及する者が、相手に責任があることを主張立証していかなければならないとする従来通りの考え方をすると、被害者にとってあまりに酷になることです。

何を証明しなければならないかというと、
1 相手に故意か過失があること
2 権利を侵害されたこと
3 相手の故意過失と権利を侵害されたことに因果関係がること
です。

黴の件で具体的に考えてみると
① 黴が発生していること
② その黴が、家の中の空中を舞っていること
③ 家から発生した黴が家族の体内に入っていること
④ この黴によって喘息が生じていること
を証明しなければならないと思います。

しかし、これは簡単なことではありません。
空中の黴に印を付けて追わなければならない話になってしまいます。
もともと安全性を供えなければならない物を造る者には、それだけの義務が課されると考えるべきです。
それで、四日市喘息等の公害訴訟では、裁判所が被害者の証明する責任を軽減するために、厳密な科学的証明ができなくても、蓋然性があればあれば足りるとか、様々な手法を考えてきました。
そして今日では、安全性が必要な物を製造した者に重い責任を負わせる製造物責任という考え方が定着してきています。

製造物責任とはどういうものかは、消費者庁のホームページでわかります。

以下は消費者庁のホームページからの引用です。


「製造物責任の考え方としては,
[1] 被害を受けた消費者は事業者の過失の有無を問わず損害のてん補を請求できるようにするこ  と,
[2] 被害を受けた消費者は損害のてん補請求をメーカー等に対し直接行えるようにするとともに,関係事業者が多数の場合には,連帯して責任を負うようにすること,
[3] 因果関係についても被害を受けた消費者の立証責任の軽減を図ること
[4] 欠陥商品の危険性を考慮すると損害賠償の対象範囲を広く認めるとともに,その商品を使用,消費することによって危険にさらされることが通常予想される者(商品の買主の家族,使用人,その商品の贈与を受けた人等)も事業者に対する製造物責任を問えるようにすること,
等とすることが望ましい。

海外においても,このような考え方がとり入れられてきている。
アメリカ,イギリス,フランスおよび西ドイツでは,判例等によって欠陥商品により消費者等の受けた被害についての事業者の無過失責任または過失の有無の立証責任の転換が実現されている。
・・・・さらに,同じような観点から,イギリスでは欠陥建物法が制定されており,西ドイツでは医薬品について薬事法の改正が行われ,オランダではすべての商品について民法の改正が検討されている。
このような諸外国の動向,制度改正の内容等について調査研究を進め,日本の実情に即した制度の検討を急ぐ必要がある。」

消費者庁も問題の把握はしているようです。

欠陥住宅を建てた者の責任・・・その4 刑法上の責任

欠陥住宅の瑕疵によって、住人が怪我をしたり、体調を壊すようなことがあれば、刑法上の責任もあります。
刑法の傷害罪です。
怪我をしたり、体調を壊す事も傷害です。
瑕疵のある建物を建てたのは、過失と言えるのですから、過失傷害罪が成立します。
めったに無いかもしれませんが、瑕疵が有るのに気づいていて、誰か怪我をすればしてもかまわないなどと思っていたら、過失ではなく、故意の傷害罪が成立します(未必の故意といいます)。
刑事上の責任を負うのですが、これには警察に動いてもらわなければなりません。
警察に動いてもらうために告訴状を警察に出す必要があります。
刑事事件の時効は短いので注意しなければなりません。
欠陥住宅訴訟は長くかかるので、そのうちに刑法上の時効期間が過ぎてしまいます。
弁護士さんは、まずはお金をもらって瑕疵を補修し、健全な生活を取り戻すことが第一だから、民事での解決を優先させましょうと勧めることでしょう。
しかし、刑事責任を追及できることがあることも知っておき、何時、時効にかかるかも押さえておきましょう。

相手が履行する気持ちが無い、履行するだけの資力が無い時は、刑事責任を負って貰うことも考えましょう。
泣き寝入りはしてはなりません。
プロフィール

Author:kekkanzyuutaku
欠陥住宅を建てて逃げた茅ヶ崎市の清水建築工房の社長を追っています。御存知の方はお知らせください。

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