地方行政に期待したいこと

行政は、ただ単に違反が無いかどうかだけの取り締まりをしていればいいのでしょうか。
建築基準法って、ただ取り締まるだけのものですか?

あらためて、もう一度建築基準法を開いてみました。
法律には、普通その第一条に目的が書かれています。
それを確認してみました。

「建築基準法第一条   この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」

公共の福祉などという言葉は曖昧ですが、国民の生命、健康及び財産の保護を図るというのは実に明確な言葉です。

そうなのです。この法律の目的は、国民の生命や健康、財産を守るためのものなのです。

ただ単に、発見された違反建築を取り締まればいい、ということではなく、より積極的に国民の生命を守るためには、どうするかの視点から建築行政はとらえられ直さなければならないのではないでしょうか。

その場合、規制や指導だけではなく、市民に目を向けて、相談に応じる姿勢が大切なのではないでしょうか。

昨年、広島市で大きな土砂災害が起き、多くの人が犠牲になりました。
テレビで、現場を見て多くの人は思ったはずです。
何故、あんな場所に宅地造成の許可が下りたのか
まさに、国民の生命が問題になることでした。
行政の対応がどのようになされたか、もっと検証されなければならない問題ではなかったのでしょうか

市町村は、国より市民にとって身近な存在です。
地方の行政は、身近な存在の市民の生活している息づかいを感じながら、行政にきめ細かく反映させていく役目が期待されているのです。
ですから、その長を市民が直接選挙で選ぶことができるのです。
国の行政の長である総理大臣は、いくらがんばっても選挙で選ぶことができないのと対照的です。

そして地方には、国の法律に対応する、条例も定める権限もあります。
条例では、法律と同じように、違反した者に対する罰則も定めることができるのです。
法律に反する内容を定めることはできませんが、その法律の目的に合致することなら、法律よりもさらに厳しく、かつ範囲の広い規制をすることも可能なのです。

地方議会や行政には、このような役目が期待されているにもかかわらず、実際にはどうでしょうか。

地方議会議員は、ただ単に名士の栄誉を得たいがために名乗り出る名誉職のようなものになっています
あの、泣きわめく議員や、報道の追求から逃げ回る議員を見ても明らかに、地方議会のていたらくが見て取れます。

地方行政はどうでしょうか。

県や市の行政を見ると、どうも小さな国としか見えません。

県や市の職員は「法に乗っ取って仕事をしているだけ」と言います。
それなら国がやっていることと同じです。

地方行政に課された課題は、そこに住んでいる市民の生命、健康、財産を守るために、自分のところではどういう風に、法を運用していったらいいかということなのです

地方によって、風土や市民意識にも違いがあるので、それに沿って法を運用していくことが必要とされるのです。
そのために、先に述べた、条例を制定し、地方として新たな制定をすることも必要になるのです。
そうでなければ、地方自治の意味が無いのです。

先日、渋谷区で同性愛者に対して結婚と同様な関係にあるとの証明書が発行されるとの条例案が議会に提出されると報道があり、センセーショナルに伝えられました。

区としては、同性愛者の結婚を認めることはできません。
それは、憲法に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」という文言があるからです。
憲法は、国の根本となる法です。
国会が定める法律よりも上にある法なのです。
地方で定める条例が、憲法に反することはできません。

しかし、同性愛者がいるという現実があり、彼らは結婚という形態がとれないが故に、様々な迫害を受けている。
これらの人々にも幸せな生活をする権利がある。
地方としては、同姓の結婚は認めることはできないが、結婚と同様な関係にあるという証明書を発行することはできる。

そう、渋谷区長は判断したのでしょう。
その証明書の発行によって、少なくとも日々の生活は、同性愛者は結婚と同様な関係を築いていくことができるようになるでしょう。
その条例案の内容の善し悪しは、私には判断できません。

ここで言いたかったのは、地方自治体独自の判断として、そのようなこともできるのだということです。
建築行政においても、地方独自の判断で、国民の生活、健康、財産を守るという法の目的を達成するためには、今のままでいいのかと考えて欲しいし、もっとやれることがあるのではないか、やらなければならないことがあるのではないかと言いたいのです。

このことを、市の職員と話してもなかなか通じません。
壁に向かって話しているようなもので、何も返ってくることはありません。
残念なことです。

自分が市民の生命を守るのだという意識を持てば、職員一人一人のモチベーションもあがることだと思うのですが。
活性化している組織というのは、上下関係にかかわらず、自分の意見を自由に言い合えるような組織だと言います。

しかし、市の職員を見てみると、上司は法律に従って仕事をすればいいと言い、部下はその上司を見て、何の疑問も持たず、与えられた仕事だけをこなしているという風にしか見えません。

もっと、もっと、職員一人一人に、法によっては解決できない現実を見ていただきたいし、疑問を抱いていただきたい、そして自分の思うところを積極的に発言していただきたい、上司は部下の発言を尊重して、若い職員の意見も取り入れて、活性化した職場づくりをしていただきたい。

そうでないと地方自治は失われてしまいます。

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kekkanzyuutaku

Author:kekkanzyuutaku
欠陥住宅を建てて逃げた茅ヶ崎市の清水建築工房の社長を追っています。御存知の方はお知らせください。

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