「逃げたGPライダーを追え!!」 9 責任転嫁の方程式

責任転嫁の方程式!!

客は、ジワジワ金額が吊り上げられていくので、いったい最終的にいくら払えばいいのかわからず、これでは、とても資金計画が立たないと、途方にくれてしまった。
何か言えばすぐ新しい見積もりがでてくる。かと言って、標準でやってくれと言っても、標準となるものが無い。
大きな建築メーカーなら、標準となるものがあって、それを超えるものを依頼するとオプションといって値は上がる。
しかし、清水建築工房には、そんな標準となる物が存在しない。
しかも、金額がどんどん嵩んでいくのに、当初要望していたことが、何も設計にはいかされていなかった。
客は驚いた。
これだけはやりたいと設計当初に要望していたことが、ことごとく無視されていた。
設計図が無いので、客はそのことを知る事はできなかった。
清水建築工房に伝えると、それをこれからやるためには、別途見積ですと見積書が別に出された。
当初打ち合わせていた設計士Mは、もう出て来なくなっていた。
現場で、大工に設計の誤りをなじられてから、現場で見かけたことは無かった(会社を辞めて、何処に行ったか分からないと、後日社長が裁判所で言っていた)。
しかも、社長が責任を持ってやると言っていたのに、一方的に担当が代わると言ってきた。
建築士の資格を持たない女性の担当だった。
監督もできる筈はない。
これは当初要望していた事だと言っても、あわてて取り繕いの代案を考えてくることしかできなかった。
客の要望をまず設計に入れるのが、注文住宅のはずではないのだろうか。
要望が通らない、しかももうこれ以上のお金を出す事もできない。
どうしたらいいものかと躊躇していると、お宅が決断できないから時間がかかるのだと客を責める始末だった。

度重なる入金の催促がされたが、「納得のいかない金は払えない。第一、契約と全然違う」と客は当然断わった。
その途端、社長は、職人を工事に入れなくなった。
何も決まっていないから・・・お宅が決めないから工事ができません・・・それが客につきつけられた、表向きの理由だった。
何故ここに至って何も決まっていないのか・・・設計監理、工事監理、スケヂューリングの管理の杜撰さを、全て客に転嫁して、平然としていた。

工事現場は、何日も、何ヶ月もほったらかされた。
家の周りに張り巡らされていた養生シートは剥がれて、風の吹くままに醜く翻っていた。
工事途中の現場は、風雨に曝され、外に置きっぱなしの材木に放火されないとも限らない。
夜中に材木を持って行く人もいた。
猫が入って糞をしたりもしていた。
火を付けられてもわからない。
客は心配で眠れない日々が続いた。
工事現場の管理は、施主に引き渡すまでは、工事会社の責任で管理すべきものである。
しかし、養生シートを結んで、周りに迷惑がかからないように現場を管理をしなければならないのは、客だった。
清水建築工房は、責任を放棄した。
もう勝手にすればいい・・・そんな社長の声が聞こえてきそうだった。
台風の後でさえ、誰一人、現場の様子を見に来る事は無かった。
野ざらしのまま、少しも先に進まない工事現場・・・その様子を見て、側の道路を通る人々は、「何時になったらこの家は出来上がるのか???」と不審がっていた。

大工にとって一番大事な、「施主の命」を預かる使命が有るということを、心に刻んではいなかったのか。
かつてのレーサー時代に、自分の「命」を守ってくれたのは、優秀なピットクルーだったということに、気付きもしなかったのか。
レーサーとしての経験は、彼を成長させる一助にならなかったということか。

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Author:kekkanzyuutaku
欠陥住宅を建てて逃げた茅ヶ崎市の清水建築工房の社長を追っています。御存知の方はお知らせください。

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