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欠陥住宅を建てた者の責任・・・その2 不法行為責任

 前回は契約上の責任について見てみました。
請負人と施主は契約関係があるから当然契約責任が生ずるのでした。

それでは、施主から建物を譲り受けた者が、瑕疵に気が付いて、設計者や工事業者に責任を追及する場合はどうでしょうか。
この場合、設計者および工事業者と建物の請負契約を結んだのは、施主であって、譲受人ではありません。すなわち譲受人は契約関係に無いのです。
だから契約責任は、譲受人は設計者にも工事業者にも追求できないことになるのでしょうか。

ここに民法709条という規定があります。
不法行為責任と呼ばれ、「故意過失によって、他人の権利を侵害した者は損害賠償の責任を負う」とされています。
例えば、交通事故の場合を考えてみるといいと思います。誤って人を車で轢いて怪我をさせたら、賠償責任を負わなければなりません。それが、この709条の責任です。轢かれた者と車を運転していた者との間には、何の契約関係もありません。そのときに責任を負わなければならないのが不法行為責任という訳です。

そして、欠陥住宅の譲受人は、この民法709条に基づいて、設計者および工事業者に対して責任追及できるとしたのが、最高裁判所の平成19年7月6日の判決です。

ところで、契約関係にある者にとっても、故意過失で権利を侵害されたともいえるのです。
つまり、契約関係にある施主は、前に述べた瑕疵担保責任も不法行為責任も、両方の責任を追及できるのです。
両方の責任が追及できる利点は、主張できる期間が不法行為の場合は10年に延びるという点にあります。

ところで、この最高裁判所の平成19年の判決には、注目すべき点がもう一つあります。
実は、この最高裁判所の判決は、その前になされた高等裁判所の判断を否定しています。
否定された高等裁判所の判断とは次のようなものです。

「建築された建物に瑕疵があるからといって、その請負人や設計・工事監理をした者に、当然に不法行為の成立が問題になるわけではなく、その違法性が強度である場合、例えば請負人が注文者等の権利を積極的に侵害する意図で瑕疵有る目的物を製作した場合や、瑕疵の内容が反社会性、あるいは反倫理性を帯びる場合、瑕疵の程度・内容が重大で、目的物の存在自体が反社会的に危険な状態である場合等に限って、不法行為責任が成立する余地がある」

つまり、瑕疵があるからといって、常に不法行為責任が成立するものではないと言っているのです。
しかし、民法709条をどうみても、欠陥住宅の場合には、違法性が強度である場合に限って不法行為が成立するなどとは読めません。そんなことは書いてありません。

これに対する最高裁判所の判断は次のようです。

「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には、不法行為責任が成立すると解すべきであって、違法性が強度である場合に限って不法行為責任が認められると解すべき理由はない。例えば、バルコニーの手すりの瑕疵であっても、これにより居住者が通常の使用をしている際に転落するという、生命または身体を危険にさらすようなこともあり得るのであり、そのような瑕疵があれば建物には建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があるというべきであって、建物の基礎や構造く体に瑕疵がある場合に限って不法行為責任が認められると解すべき理由もない

と明確に述べて、高等裁判所の判断を破棄しています。

実に常識的な判断であるといえます。
この最高裁判所の判断のキイは「建物としての基本的な安全性を損なうかどうかの瑕疵」という点にあります。
今後709条の不法行為責任を追及するには、「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」であることを立証していけばいいのです。
プロフィール

kekkanzyuutaku

Author:kekkanzyuutaku
欠陥住宅を建てて逃げた茅ヶ崎市の清水建築工房の社長を追っています。御存知の方はお知らせください。

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